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この3語でかけ! 即興オリバトスレ2

1 :名無しさん@プログラム:2007/02/01(木) 23:31:32
お約束
1:前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2:オリバトとして、その中の一部分。どんな物でも可。架空の物でOK。
3:文章は一応5行以上15行以下を目安に。
4:最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること(拳銃の名前等は可能)。
5:お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。

「ヒーロー」「子供」「格闘技」

2 :名無しさん@プログラム:2007/02/11(日) 00:20:51
子供の頃、テレビ番組のヒーローに憧れるなんてことはよくある話だ。
カッコいいとか、強いとか、そんな理由で憧れる。
俺もそんな淡い幻想を追っていたことがあった。
中学三年にもなって、恥ずかしい話だけど、それは過去形ではなく現在形で進行中なのかもしれない。
だって、そうじゃなかったら、未だに格闘技なんか習っているはずがない。
建前上は体を鍛えるためだったが――そうだな、断言する事にしよう。
俺はヒーローになりたかったんだ。
そうだ、俺は弱きを助けて強きを挫く、そして誰かを守れるようなヒーローになりたかったんだ。
だけど、知らなかったんだ。その悪役の存在が、こんな何の変哲もない人間だったなんて……。
だから、こいつは目の前で倒れている。
だから、助けた彼女は俺から逃げ出した。
だから、俺は何の迷いもなく、こいつを殺した。
幻想を追い求めた結果が、こんなにも空しいものだなんて、俺はこの時初めて知ったんだ。

色々愚痴スレなどで言われてることだし、せっかくなんで活性化を祈って……。
次は「生命」、「枯渇」、「欲望」でお願いします。

3 :名無しさん@プログラム:2007/02/12(月) 14:57:48
涙腺はとうの昔に枯渇しきったと思っていたので、大粒の雫が頬をなぞる現象に少なからず僕は驚いた。

たとえプログラムに選抜されなかったとしても、そう遠くない未来に僕は人生を終えていただろう。
生きたい、という生命体として極めて原始的な欲望さえ僕にとっては失われて久しい感情だ。
家庭、不和。成績、最低。運動、苦手。友達、皆無。体躯、矮小。不運。貧困。
これだけ揃っているのだ、無欲無気力を咎められる筋合いはない。

プログラムという絶好の機会に、死という安楽を求めて僕は数多の努力を惜しまなかった。

人目につきそうな、遮蔽物のない海岸線をゆっくり歩いた。
誰の目にも留まらなかった。或いは余裕に満ちた僕の姿から、皆、返り討ちを警戒したのかもしれない。
人の気配のする家屋に侵入した。
居たのは、同士討ちか鉢合わせか、刺し違え、あと数十秒ほどの人生を残すだけの二人だった。
誰か僕を殺してくれと全身全霊をかけた大声で叫んだ。
卑怯な罠だと思ったのだろうか。声に応じて姿を見せたのは、黄色い蝶のつがいだけだった。

だから、今、僕の頬を濡らすこの涙は歓喜の証。
きみの向ける、物言わぬはずの銃口が告げている。短く。ただ一言。――死ね、と。

なのになぜ、膝は小刻みに震えていうことをきかない? なぜ、喉からか細い悲鳴みたいな音が出る? なぜ、なぜ――。



最後の行、改行ヤバス。次のお題は「お城」「冒険」「ミステリアス」でお願いします。

4 :名無しさん@プログラム:2007/03/14(水) 03:26:52
「誰だ、そこにいるのは」
 少年の声に反応して現れたのは、ミステリアスな風貌をした女性だった。
「クラスの女子じゃないな。なんでこんなところに、部外者が……」
「ということは、いよいよプログラムが始まったのね」
 困惑する木谷をよそに、女性は感激の声をあげて喜んだ。まるで西洋のお城から抜け出したような、気品のある喜び方だった。
「あなたはなんでこんなところにいるんですか」
「プログラムの臨場感を味わうためよ」
「なんで、わざわざそんなことをするんです」
「プログラムが好きだからよ。自分が選ばれたいとは思わないけど、外から見ている分にはおもしろいわ。
 ふつうの人なら、新聞やインターネットで調べておわりだけど、
 私は開催前からプログラム会場に忍び込んで、現地取材を行っているのよ」
 得意げに答える女性に対し、少年は嫌悪感を覚えた。
「変わった考え方をする人だな。上品そうな女かと思ってたら、えげつないことを言い出しやがる。
 あんたは部外者だからいいかもしれないが、おれたちにとっちゃ切実な問題なんだぞ」
「まあ、そういわずに、質問に答えてよ。なにしろ、プログラム会場で生きた人間にあったの、これが初めてなのよ」
「知るか。付き合いきれないよ。それに、あんただって、島に侵入してることが政府にばれたらどうするんだ。
 冒険気分でこんなことやってちゃ、痛い目にあうぜ」
 立ち去ろうとする少年に、女性はしがみついた。
「大丈夫よ。いままでだって、うまく政府の目をかいくぐってやってきたわ。
 それより、頼むから質問に答えてよ。知りたいことがたくさんあるの。
 そうね、まずは、あなたたち生徒全員がつけている、その首輪について、教えてもらえないかしら」

かなりオーバーしています。すいません。まあ短い行もあるしいいや。
次のお題は「集中」「中国」「国土」でお願いします。

5 :名無しさん@プログラム:2007/03/15(木) 18:17:48
「ギ・・・ギギー!」
中国にまで聞こえそうな声が響き渡る。そして鈍い音がして美智子の頭がもぎ飛んだ。
「橘さん!」
俺は呼びかける。
「国土全ての力がこの手に集中する感じだよヒーッヒッヒッ」
薬で強化された手が光る。橘と呼ばれる男は俺の呼びかけに返事をしない。
「橘さーん!」
俺は何度も呼びかけた、いつか心に届いてくれると信じて。
「橘さぁーんっ!」
「うるさいな、お前は誰だ」
「タチュバナサン」
「お前に名前を呼ばれる筋合いなどない」
「ダディャーナザァン」

お題「たわし」「木」「燃えろ燃えろ」

6 :名無しさん@プログラム:2007/03/15(木) 20:45:20
上げる

7 :名無しさん@プログラム:2007/03/16(金) 00:04:37
 いよいよ最後の仕上げだ。チヒロは隠しておいた灯油のタンクを引きずり出した。ポケットにライターの入っていることを確かめ、
これで見納めになる隠れ家を見つめた。あの中には、いままで助け合ってきた仲間たちがいる。
 決して人殺しをしないという約束で集まった六人は、幸か不幸か、最後の六人として生き残ってしまった。彼らは、その中から
たったひとりの優勝者を選ばなければならなかった。しかし、それを決めるのは難しく、誰一人として自分がやろうと名乗りあげる
ものはいなかった。
 そこでチヒロは、誰にも相談することなく、ひとりでその作業を行うことに決めた。以前から考えていた計画を実行に移すことに
したのだ。支給武器がたわしで、運動神経もよくないチヒロが、たくさんの生徒を一度に倒せる唯一の手段。それが放火だった。
 時間をかけ、念入りに隠れ家のまわりに油を敷いた。窓から中を覗き込むと、みなチヒロの行動に気づくことなく、すやすやと
眠っているようだった。
 チヒロは家から十分に離れた。地図の紙に火を灯し、それを目標に向かって投げ込んだ。またたく間に炎は広がり、隠れ家を
飲み込んでいった。周りの木々もそれに巻き込まれた。パキパキと枝が悲鳴をあげる一方で、人間の叫び声などは、まったく
聞こえてこなかった。
 チヒロはすこし拍子抜けした。この計画を思いついてから、友達の断末魔を背負ってまで生きていく覚悟があるのかと、自身を
問い詰め、見つめなおし、葛藤したものだった。しかし、実際人が死ぬのは、思ったよりもあっけなかった。圧倒的な火の勢いを
前にうっとりするばかりで、友情の日々を思い出したりはしなかった。
 それでもチヒロは、はじめは後ろめたく思っていた。生存者が出ることを心の隅で期待していた。しかしついに、燃えろ燃えろ、
すべてを焼き尽くして、自分を優勝させてくれと、望みの対象を変えてしまった。

二行オーバー
次のお題は「光景」「彫刻」「冷たさ」でお願いします。

8 :名無しさん@プログラム:2007/03/17(土) 00:05:38
 闇夜に葉を広げる枝、ヒト一人の体重なんかでは決して折れそうにもない枝に、ぎっちりと
括り付けられた太い縄紐。不器用に作られた輪っかの中に垂れ下がる肢体は、この静かな夜には
スカーフ一つ揺れる事はなく、一瞬彫刻か何かかとさえ思えた。
 だが、同じく垂れ下がるその三つ編みは。
「えー…み…」
 信じがたい光景を目の当たりにし、足が震えに襲われた。目を見開いたまま崩れ落ちると、
土や枯葉の冷たさが身体を刺したが、そんなものはすぐ込み上げてきた熱さにかき消されて
しまった。震える手で、滲んだ視界を覆う。
 どうして? 涙が止まらなかった。どうして自殺なんて?
 ずっと友達だって言ったじゃない、高校だって、その先だって、ずっとずっと…!
 喉や口などでは吹き出る寂しさ、やるせなさをせき止める事はできず、ついには声まで上げて泣き始めた──その濡れた指先から、
鞄が見えた。栄美のデイパックだ。
 涙を拭い、しかしその跡をまた止めどなく濡らしながら鞄まで這っていった。まだ震える手でジッパーを開けて中身を
探り始め──何よ、結構アタリ武器じゃない、私なんかテレビのリモコンだったわよ──ぐずぐずに崩れた泣き顔のまま
取り出した短剣を、スカートに挟み込む。
 地図とペン以外の物を全て自分の鞄に詰め替えた所で鼻をすすると、まだ息の乱れきっている気管は一気に
むせかえってしまった。同時にそれは落ち着き始めた涙を再び押し上げ、
「う、う…えー、み…」
 口元を押さえても我慢しきれない嗚咽を漏らしながら、重くなったデイパックを持ち上げ、その場から歩き出した。


すみません、長くなりました。
次は、「衝動」「正体」「少年」でお願いします。

9 :名無しさん@プログラム:2007/03/17(土) 07:47:09
少年は怒りを抑える事が出来なかった。
「許さなーい」
衝動的に孝彦を殴りつける。
「グエーッ!ひ・・・ヒギョパムウウ」ボグチャーッ!
孝彦の顔面がばっくりと割れ歯が飛ぶ。そして孝彦は回転しながら倒れこむ。
そこをさらに殴る。

25発殴った。孝彦の顔面は完全に潰れていたがまだ生きていた。
「まだ生きていたか止めを刺してやるよ」
金属バットが振り下ろされる。
「ぎえっ」
ブッシャーッごりごりごりっぐちゃああ

「ひ、ひい」
血まみれの俺を見て雪美が逃げ出す。に・・・が・・さない!
「ぎゃあっ!」
雪美の足が撃たれ、前のめりに倒れこむ。
「ギャーッ!し・・・死にたくないいい(バキッ)ギャボオオ」
ピンク色をした腸が空を飛ぶ。眼球も飛ぶ。
少年の正体は残酷な殺人鬼だったのであろうか。

カオス
次は「ポスター」「歌声」「生首」

10 :名無しさん@プログラム:2007/03/17(土) 13:07:04
「お前らの生首、さらしてやるかんな! あははははっ」

 いや、まさか、いきなりそんな事を言われるなんて私は思わなかった。
 生首だって? それはちと残酷すぎる発言じゃあなかろうか。
 子供がそんな発言を聞いてしまったら、思わずお母さんにすがり付いて、泣きたくなるという
ものだろう。
 まして、筋肉ムキムキのいかつい悪役顔の男が言うならともかく、3組の歌姫とその名を轟
かせ、果ては全校生に母の歌声と親しまれてきた彼女が、私に向かって『生首をさらす』とは、
いかがなものだろうか。軽く論議したいものである。
 まあ、残念ながら、今はそんな悠長な事を言っていられるわけでもなく、校内に飾られていた
世界平和を訴えるポスターは、見事に私達の期待を裏切り、プログラムという洒落にもならない
状況を提供してくれた。

「全く・・・世界平和が泣いてるぞ」
 血にまみれて笑顔で敬礼をするお兄さんのポスターからは、血という涙が滴り落ちていた。

お疲れ様でした。下手な文章ですが、楽しみながら書けました。
次は、「実験」「調味料」「失敗」でお願いします。

11 :名無しさん@プログラム:2007/03/18(日) 00:36:49
「実験」「調味料」「失敗」

兵士が持ってきたカレーを食べながら担当教官は戦闘実験第68番プログラムの状況を確認していた。
「……まずいですか、教官殿?」
傍らに控えていた兵士が恐る恐る尋ねる。
「特にまずくはない」
ただ人参が食べられないだけだ。
首輪に内蔵された盗聴機が生徒たちの咀嚼音を拾う。
生徒に支給された食料はコッペパン二個。味のないパンを、生徒たちは空腹を調味料としてむさぼらんばかりに食べている。
自分の悩みは贅沢なだけだろう。
そう思って人参を飲み下そうとしたら、失敗してむせてしまった。

次は「暁」「予備」「祈る」でお願いします。

12 :名無しさん@プログラム:2007/03/21(水) 02:31:29
タイトル「精神毒」

国広は崖のそばを歩いている人影に気がついた。
思わず予備の弾を込める。
暁の中に浮んだ人影はひろみであった。ひろみは祈る動作を一通りした直後あっさり崖から飛び降りた。
パアーンッ
妙な波の様な物が押し寄せてくる感じに国広は思わず目をつぶる。
アアアーアアア(ナンダッこのコーラスは・・・)
目を開くと妙なコーラスとともに白いドレスを着たひろみが踊っているのが見える。空の色は緑色になっている。
「ひろみさん・・・僕は君の事が」
思わず口に出してしまうがひろみには届かない。
ひろみは一言
「プログラムうー」
とだけ叫ぶとどこかへ消えた。
何も伝えられなかった・・・
あの優しい美しいクラスメートに
何も言えない世の中が憎い
言いたい事も言えないこんな世の中は
ポイズン

お題「血」「花」「グネグネ」

13 :名無しさん@プログラム:2007/03/22(木) 14:38:12
「血」「花」「グネグネ」

四方がガラス張りの植物園は、動力源が切れ人工的な温度調整が出来なくなったにも関わらず、
5月の燦々と照りつける太陽光によって真夏のようにむっとした息苦しさを内包していた。
「…… っくそ、アキどこ行ったんだよ」
がさり、と大きなバナナのような葉を揺らしながら加瀬健太郎(男子4番)が毒づき、樹海じみた木々の間を泳ぐように掻き分けて進む。
健太郎の幼馴染であり、彼の想い人でもある瀬戸アキ(女子8番)と健太郎が遭遇し、
その途端アキが不自然にくすくすと笑いながら背を向けて走り去ったのは30分ほど前だ。
彼女が駆け込んで行ったらしいこの植物園に足を踏み入れて、もう5分は経つのに人影らしい人影は見えなかった。
不意に、足元が不安定にぐらついた。グネグネとした、ゴムを踏みつけたような感覚がスニーカーの底から伝わる。
前方にばかり意識を集中していた健太郎は、そこで初めて足元に視線を落とした。
肉厚の花弁が広がっており、死臭のような香りが辺りに充満していた。
それが熱帯に咲く世界最大の花だと胸いっぱいに不快な花の香りを吸い込んで、健太郎はようやく知覚した。
―― そういえば、この花はこんな匂いで虫を引き寄せるんだっけ。
ぼんやりとそんな知識を思い返しながら視線を上げる。
そこに。
「いらっしゃい、健太郎」
白いセーラー服を赤く染めた、彼の愛する花が煌くナイフを持って立っていた。

次は「ワクワク」「拳」「演技」でお願いします。
行数2行ほどオーバーしました……。
辛口批評、ご感想お待ちしておりますー。

14 :13:2007/03/22(木) 14:40:44
しまった!「血」が抜けていました。
最後の行、「白いセーラー服を赤く血で染めた」の予定でした。すみません!

15 :名無しさん@プログラム:2007/03/23(金) 02:37:57
「待って、殺し合う気なんかないの!」
その私の言葉は言うまでもなく嘘だ。
――殺らなきゃ殺られる。
このゲームに置いての鉄則のルールであり、人を殺してもいいという免罪符のようなものでもある。
だから、殺し合う気がないなんてことあるはずがない。
もっとまともな武器――そう、例えば拳銃なんか――が支給されてるならいいんだけど、私の武器はどういうわけかケチャップ。
死んだふりをするぐらいにしか役に立たないだろう。
かと言って、拳で殴りかかって殺すことのできる腕力もない。
ならば、騙して奪うしかない、というのが私の戦闘方針であり、今、銃を突きつけている彼はその第一号となるべき人だ。
銃を突きつけられている私は泣き真似なんかをして、必死に演技をする。
一種の綱渡りのような状態だった。
銃を下ろさせることができるか、問答無用で殺されるか。
――デッド・オア・アライブ。
だけど、その賭けのスリルは少しだけ私をワクワクさせていた。

次は「缶詰」「本能」「透明」でお願いします。

16 :名無しさん@プログラム:2007/03/23(金) 19:47:57
支給武器だった『桃の缶詰』の空き缶をひっくり返す。
落ちてきた透明の雫を舌先で受け止めて最後の甘露を堪能した。
信じられない。俺がプログラムに巻き込まれたことも、支給武器が缶詰だったことも。
武器だからと思って我慢していたが、三日経って人間の本能には勝てず缶詰を開けた。
その中身は紛れもなく白桃で、それを三分で平らげてしまい俺は激しく後悔した。
もう残された食料も水もない。缶詰のやたら甘いシロップは喉の渇きを増長させる。
ああ、俺はこの森の中で野垂れ死ぬのかな。それとも誰かに殺されるのかな。
無気力なまま空を見上げる。視界を横切る黒い鳥は路上の黒猫みたいに思えた。
不吉だな。でもあの鳥だって黒猫だって好きで不吉なんて言われてる訳じゃないのにな。
あいつらは不吉だなんて言われても立派に生きてる。
そう考えたら、自分の境遇が大したこと無いように感じられた。
視線を戻し前を見た。空き缶を地面に置き立ち上がる。
「缶蹴りなら負けたこと無い。大丈夫、勝てるさ」
誰かに蹴られる前にゴールしてやろうじゃないか。このふざけたお遊びに。

オリバト書いたのは生涯で二度目。批評お願いします。
次のお題は「三角」「コーヒー」「電線」でお願いします。

17 :名無しさん@プログラム:2007/03/25(日) 06:22:52
コーヒーを注いでいると何かが倒れる音が聞こえた。
泰治は手を止めその音がした所へと向かう。泰治は支給武器の警棒を構えたまま辺りの確認をする。
がたり
また音がした、今度は外だ。泰治は辺りを確認するが人間の姿は見つからない。
ブオオーン
不気味な音が響き渡る。アア!殺人鬼は民家の屋根の上に居たのだ。
ハンターの手に装着された妙なライフルが何度も輝く。
三角の形をしたエネルギーの塊が泰治の心臓に突き刺さる。
「うっギエエ」
その直後泰治は爆発した。

3時間後道子は電線に引っかかっているぼろきれのような物を見て悲鳴を上げた。ぼろきれの様に見えるそれは人間の腸であった。
にっ人間の腸がどうしてこんな所にどんな殺され方をして私の武器は綿菓子立ち向かえないどうしよう殺される変な方法でキョロサレルーッ

道子は泡を吹いて気絶した。白目を剥いて。

お題「助けて」「ルビー」「一時停止」

18 :名無しさん@プログラム:2007/03/27(火) 11:32:54
「助けて」「ルビー」「一時停止」

 餓死しそうなほどの空腹の中で、樹上の石榴はルビーのように輝いて見えた。震える手で外皮を割り、口に運ぶ。
 わずかに酸味を含んだ甘さが、胃の腑へと滑り落ちる感触がたまらない。
 一時停止したかのように静かな場所で、食欲を満たす音だけが響く。
 ひとしきり食べたところで、気の幹を背にして座り込む。
 樹の下には、額を割られた生徒が転がっている。
 空腹のあまり、わずかな石榴を奪われまいと殺してしまった。
「助けて」と叫んだ生徒は、いまや頭が石榴のようになってしまっている。
 空腹を満たし冷静になった頭でそれを見て、改めて自分の罪深さにぞっとした。
 再び石榴を口に運ぶ。
 鬼子母神が人の代わりに食べたというそれは、確かに血の味がした。

次は「借り物」「機械」「気質」でお願いします。

19 :名無しさん@プログラム:2007/03/27(火) 11:49:44
『借り物』『機械』『気質』

−あんなのレナじゃない−
魅音はさっきみた光景を思い出し、頭を振った。
親友だったレナが、恐ろしい形相で律子を鉄パイプで殴りつけていた。何度も、何度も、何度も。
助けを呼ぶ声を無視し、物言わぬ人形に成り果ててなお、律子を殴り続けたレナ。
やさしく、友達思い。料理もうまく、女の子らしい気質を持ったレナに、憧れたりもしたのに。
そんな女の子とは、まったく違う人間のようだったレナの顔が、未だに脳裏に焼きついて離れない。
「みぃちゃん。みーつけた。」
突然、背後から今思い出していた少女の声が聞こえた。
借り物の猫が、知らない人に声をかけられたように、魅音はびくっと体を振るわせた。
「どうしてそんなにおびえているのかな?かな?」
いつの間にか正面に回りこんだレナが、いつもと同じような笑顔で笑いかけていた。
よかった、とホッとした瞬間、魅音はレナの手に血に塗れたナタが握られていることに気づき、目を見開いた。
「どうしたのかな?かな?」
表情の変化に気づいたのか、レナが心配そうな顔を向ける。
しかし、その顔は笑っておらず、まるで機械のような冷たい目で魅音を見つめていた。
−圭ちゃん、助けて−

へたくそですみません。
次は「春休み」「看板」「駐車券」でお願いします。

20 :名無しさん@プログラム:2007/04/01(日) 10:00:17
「春休み、お前が金で出版社に優遇させてもらってるの見たぞ・・・憎たらしい!」
「金と運さえあれば良いんだよ!それも出来なかったお前がいちいちうるさーい」
山田は気持ち悪い顔をして怒り始める。
そしてすぐに金属バットを振り回してくる。しかし俺はそれを簡単にかわすと金属バットを奪い取った。
「ヒッヒイイ」
武器がなくなった山田が逃げようとするが俺がそれを逃すわけが無い。
山田のがら空きの背中を思い切り蹴り飛ばした。
「ゲエーッ!」
駐車場の看板を突き破り塀に激突する。
「いっ痛い」と悲鳴を上げる山田の腕をつかむと近くにあった金属片で右の指を全て切断した。
「これで小説は書けまい」(いたいよおーいたい)

これでとどめだーッ

俺がフルスイングでバットを振ると山田がいきおいよく飛んでいく、そしてそのまま駐車券販売機に激突して頭の上半分が消失した。

お題「あいつら」「電磁波」「頭がズキズキする・・・」

21 :名無しさん@プログラム:2007/04/02(月) 05:52:11
 疲れてるおれと、楽しそうにしてるあいつらとは、いったいどこが違うのかな。努力の差だとか、人柄の違いだとか、そんな
救いのない結論はいらない。ほんとうはみんなもつらいんだよ、ってのが無難だけど、それもパス。こっちは頭が
ズキズキするほどつらいんだ。そんな言葉で片付けられてたまるものか。
 どうせなら、脳の構造とか、遺伝の問題とか、そっちのほうに押し付けたい。そうすれば、おれがこんなにつらいのも、
なにかのせいに出来るからね。
 分校を出発してから、ずっとこんなことを考えている。みんなの頭は、どうなっているんだろう。開いてなかをみたいくらい、
不思議なんだな。ほんとうにおれと同じように、つらい気持ちとかあるのかな。実はおれが異常なだけで、ほかの人は
楽しい気分でいっぱいじゃないのかな。それとも、ほかの人はそもそもつらいだなんて、感じたりするのかな。
 でもそれを確かめる方法って、ないんだな。さっきからいろいろがんばってるんだけど、やっぱりうまくいかない。
人の気持ちはなかなかわからないね。それこそ、電磁波でも使って脳を詳しく調べないとだめみたい。
 たとえば、ひとり男子が殺されたとして、その友達や恋人は、たぶん泣くんだろう。でもその悲しいって気持ちは、どの程度の
ものかって、外から見ててもわからないんだよ。いくら悲しい悲しいって泣き叫ばれてもね。おれのつらい気持ちと、どっちが
上かってのが、伝わってこないんだ。ほんとうはおまえら、おれよりしあわせなんだろって、思っちゃう。

わかりにくかったかな… 主観的な話は苦手だ
次のお題は「水」「クーラー」「おさらば」でお願いします。

22 :名無しさん@プログラム:2007/04/15(日) 15:02:40
浮かぶのは、クーラーかけっぱなしで、ダラダラと過ごしていた3日前までの夏休み。
一人でいるのが気楽だった、それを疑わなかった満ち足りた怠惰な日々。それが憎らしいほど懐かしかった。

あぁ、なんてこった。
恐らく僕は、プログラム史上最も情けない死に方で最後を迎えそうだ。
支給された食いもんも飲みもんもとっくに底をつき、5日間飲まず食わずさまよった。
見つけた井戸の水を飢えと渇きに任せてバカ飲みしたら、見事にあたった。
今の時代に、水あたりだ?笑っちまうぜ。
腹痛に抗うだけの体力も残っちゃいない。さっきから徐々に意識が薄くなってきやがる。
殺し合いなんて無理だとか、でも誰も信じられないとか、びくびく逃げ回った結果がこれかい。
今この時も、クラスメイト達は殺し合いの糞ゲームを続けてる。おそらく僕はこのまま誰の
手にもかからず、誰も信じることができないまま一人で勝手に野垂れ死ぬ。

おい、おまえら。おれはこのへんでおさらばするぜ、残りが何人かしらねぇが、
せいぜい派手に殺しあってくれ。じゃあな。



3年ぶりくらいに書いてみました。
とりあえず15行以内…かな。制限時間は一週間ルールってことで。
次のお題は「煙草」「ミュール」「歴史」で如何でしょう。

23 :22:2007/04/15(日) 15:07:59
↑すみません。ミスがありました。
一行目の「3日前」は「一週間前」と変換してお読みください。

24 :名無しさん@プログラム:2007/05/03(木) 01:34:44
「煙草」「ミュール」「歴史」

顔から汗がしたたり落ちる。このいやに静かな空間では、それが地面にぶつかる音が聞こえる気さえしてくる。
もともと『遠足』に行くはずだったのに、ミュールなんて履いてくるからそんなくだらない目に逢うのだ。
口には出さなかったけれど、そんなことを考えながら、私は彼女を見つめていた。
不自然に塗りたくられたマスカラとアイライン。それに縁取られた彼女の茶色い瞳が、祈願するようにじいっと私を見上げる。
助けるもんか。けが人をかばって、どうして生き残れる。そもそも敵が減るのは、こちらにとっては都合のいい話。
偶然会ってしまった、特別仲が良かったわけでもない彼女。どう対処すべきかもわからないうちに、『彼』が現れた。
プログラムの歴史なんて私が知るはずもないけれど、あんなに残酷な男は、果たして今までにいたのだろうか。
学校でも平気な顔をして吸っている煙草をやはりくわえたまま、彼は私たちを見てにいっと笑った。
一緒にいたから、一緒に逃げた。ただそれだけのことであって、彼女と私は仲間でもなんでもない。
なおも無言で助けを求める彼女に、あきらめろ、と目で伝える。
ふわりと吹いた風に乗って、煙草のにおいがした。

感想くださるとありがたいです。
次は「蕾」「春」「匂い」でお願いします。

25 :名無しさん@プログラム:2007/05/13(日) 03:17:51
「蕾」「春」「匂い」

それはまるで、春の雪どけのようであり、
朝陽が上る前の、黄昏のようであり、
花開く前の、蕾のようでありました。

あなたの髪に、声に、匂いに、優しさに触れた私の想いは、
あの日から何一つ変わらないまま。
その想いが高揚して、私に引鉄を絞らせた。
その想いが膨張して、私に刃を振り下ろさせた。
ただ貴方のために、私は殺人を正当化してきました。

もう残り二人。
さあ、私を殺しにいらして下さい。
それが全ての終わりを告げ、新たな始まりを呼ぶのです。

願わくは、その先に貴方の幸せがあらんことを。

次は「絶望」「闇」「過去」でどうぞ。

26 :名無しさん@プログラム:2007/05/27(日) 01:59:22
鬼のような形相で僕に銃を向けている彼女。
だけど、僕にはどこか泣いているように見えた。
白い制服は血と泥で汚れてしまっている。
過去の絶望がそうさせたのかもしれないし、温かな家庭に戻りたかったのかもしれない。
どんな理由がその手を血に染めていったのか分からないけど、彼女には泣いて欲しくない、なんてことを僕は考えていた。
それは奇麗ごとでも、偽善でもなくて。
――僕はキミのことが好きだから。
東の空が明けてきて、夜の闇が追い出されていく。
そんな太陽のように、キミを照らすことができればいいと願ったこともあった。
もちろん、そんなことできるはずもない。
だから、せめて……。
胸に何かが食い込むのを感じて、僕の視界は彼女からまだ闇の残されている空に移る。
――本当は誰よりも優しい彼女が、僕のことなんかを気に病むことがありませんように。
唇を曲げた感触を頬に感じながら、僕は意識を手放した。

次は「蛍」「時間」「ネジ」でお願いします。

27 :名無しさん@プログラム:2007/06/04(月) 17:44:13
構えた銃のレーザーサイトを、ふらふらと横たわる物体に這わせる。
それはまるで赤い蛍のよう。
夕闇が暮れ落ちる森の中で、赤い残光がその様を断片的に教えてくれた。
銃を向けたまま、しばらくそれを見下ろす。
…死んでいる。
白いワイシャツを、血の赤でまだらに染めた男子の死体が転がっていた。
のたうち回って死んだのだろう。体をネジのように奇妙な形でくねらせた状態で、固まっていた。
まるで、糸が切れたマリオネット。
顔は見なかった。誰かが死んだ。それて私は生きてる、それ以上の情報なんて知りたくない。
幸い、薄暗い森と夕刻の暗転も手伝って、肉眼でははっきりとその顔を伺うことはできなかった。
私は彼の周囲を見回し、ぼんやりと浮かぶ黒っぽい塊を見つけると近寄って、それに手を伸ばした。
彼の支給物だと思われるバックパックの中身は空になっていた。
いや、ひとつだけ残されていた。手に触れた感触を取り出すと、それは生徒手帳だった。
私は中身を開かないまま、黙ってそれを自分のバックパックに押し込めた。
ケータイを開いて時間を確認する。18時の定時放送まであと、30分。

次はお題は「トイレ」「真横」「嘘」でどうぞ。



28 :名無しさん@プログラム:2007/07/14(土) 15:03:30
本スレ>>22
発想が斬新です。そういう死に方もありかなあと思いました。
文章もすっきりしていて、必要な情報が余すことなく伝わってきました。
また、わりとおとなしそうな生徒が、乱暴な調子で回想しているのもよかったです。
一人称スタイルを使いこなせていると感じました。

本スレ>>23
最後のシーンは、また『彼』がやってきたという解釈でいいんでしょうか。
主人公の心情描写が秀逸で、これから何が起こるのか気になります。
やっぱり助けてしまうのかな。

改善点を強いて強いてあげれば、すこし文章がくどいです。
削れる部分を探したり、文の順番を入れ替えたりするだけで違ってくると思います。
その他の部分は文句なしです。

本スレ>>24
詩のことはよくわからないなあ。
ただ、詩は短い分小説よりオリジナリティが必要だと思います。
その点、好きな男のために暴走する女の子という題材は……すこしありきたりかもしれない。
あと、第一句の意味がいまいちつかめなかったです。批判ばかりしてすみません。
いかんせん詩は感性によるところが大きいので、他の人はもっと違った受け取り方をするかもしれません。

29 :名無しさん@プログラム:2007/07/14(土) 15:05:42
あっ! 感想スレと間違えました…
すみません。無視してお題を継続してください。

30 :名無しさん@プログラム:2007/07/15(日) 17:48:41
 たまたま入った公衆トイレは、意外にも居心地がよかった。特に障害者用のトイレは、設備が整っていて気に入った。
小谷祐樹(男子5番)はトイレのなかで丸二日を過ごした。
 三日目の朝。小谷は大便器の上で目覚めた。消臭剤のほのかな香りを感じながら、鍵を開けて外へ出る。ぴかぴか
に磨かれた床の上で屈伸をした後、トイレの外の草むらで小便をすませた。
 洗面台で顔を洗い、歯を磨いた。鏡を見ながら髪も整えた。また大便器に戻り、支給品のパンを食べていると、お客さ
んがやって来た。ノックもせず、ドアを執拗に開けようとするので、好ましい客でないことは明白であった。
 しかし、客が開けようとしているのはトラップ用の個室だった。小谷がいる真隣の個室は、鍵に細工がしてあって、常に
誰かが入っているように見える。じっさいは人の代わりにブービー・トラップが仕掛けてあり、無理にドアを開けると痛い
目にあう。やがて客は悲鳴をあげて公衆トイレを飛び出した。

 不審者対策は万全だった。しかし、ときには嘘のつけない、まともな生徒が訪れることもある。そんなとき、小谷は
ここで一緒に過ごさないかと提案することにしている。
 現在、小谷のほかにトイレで過ごしている者は三人いる。みなはじめは戸惑っていたものの、いまではこの生活にも
慣れている。自分がプログラムに参加していることも、昔のことのように忘れてしまった。このトイレの穏やかさには、
そういう効果があるのだった。

次のお題は「衛生」「トランプ」「ギャンブル」でお願いします。

31 :名無しさん@プログラム:2007/07/16(月) 23:37:52
ハートの4…スペードの2…ダイヤの3…スペードのキング…。
トランプを一枚一枚めくっていく。意味は無い。無意識に、ただなんとなく。
どれくらいの時間、私はそれを続けているのだろう。
「なぁ、幸葉。お前さっきからトランプいじってばっかでキモチわりぃよ?それよりこれからどうしようか考えようや」
うっさいなぁ。無言で一希を睨み付ける。すると、あいつは露骨に肩をすくませて、あきれたように空を仰ぐ。
…よりによってなんでこんな締まらない奴と行動を共にしてしまったんだろう。
私だって好きでやってるんじゃない。こんな殺し合いのゲームに巻き込まれた事だけでも気力が失せるのに、その上支給
された武器がこんな紙切れじゃ途方に暮れるのも仕方ないよ。マジシャンよろしく、カード投げでもしろって?馬鹿にしないでよ。
悪意に満ちた洒落になんか負けたくなんかない。だったら、これを活用してやろうじゃない。
「ねぇ、一希。ここから一枚トランプ引いて」
はぁ?と訝る一希を無視してトランプの束をぐいと差し向ける。渋々、一希は一枚カードをぬき取った。引いたカードはハートの4。
「何のマネだ?ギャンブルでもしようってのか?」
「ギャンブル?よくわかってるじゃない。さぁいくわよ」
「ちょ、ちょっとまてよおい!」
虚をつかれた一希をよそに、私はさっさと歩を進める。
目的地はここから北へ4ブロック先の地点。私は決めた。どうせならこのトランプに自分の運の全てをかける。
それでどこまでいけるかわからないけど、それが政府に対する私の反抗だ。
「おい、いったいどうしちまったんだよ、突然よぉ〜」だらしない声で追い縋る一希を振り返って、私は言う。
「これからはグチグチ塞ぎこまないから、全て私にまかしてよ。それと、出来ればあんたはあんましゃべらないで」
ぽかんとする一希。私はにっと挑戦的に笑って見せる。
「あんたの声、精神衛生上よくないの」

大幅に長くなってしまい申し訳ない。
次のお題「中心」「感傷」「アイドル」

32 :名無しさん@プログラム:2007/07/18(水) 04:37:02
太い木の幹に背を預けて、魂まで抜けていってしまいそうな盛大なため息を吐いた。
手に握った大型の拳銃は一人分の命を吸って重くなったように感じる。
殺したのはクラスの中心にいた女の子。
男女問わず人気があり、まさにアイドルと言っても過言ではなかった女の子。
「ははっ……」
乾いた笑いを零すと、対照的に目が潤う。
こんなことになってようやく気付いた。
――俺は彼女が好きだったんだ。
だけど、それに気付くのが遅すぎた。
俺のこの手にかかって、彼女はたった今命を落とした。
次の放送で呼ばれることは間違いない。
「くだらねえな……」
俺は目から溢れ出た水分を袖口に含ませる。
こんな感傷に浸るのはこれっきりにしよう。
どうせ後には引き返せない。
俺はもうコレに乗っちまったんだから。

次は「鏡」「殺意」「涙腺」でお願いします。

33 :名無しさん@プログラム:2007/08/20(月) 23:17:21
「鏡」「殺意」「涙腺」

数時間前のその瞬間を思い返す私の唇は、自嘲の笑みを小さく形作る。
彼に逢うことだけを考え、休むことなく動かし続けた両足。
新しくしたばかりだったローファーには黒く血が滲んでいる。
彼の顔をやっと見られたその時は、どんなに胸がいっぱいになったろう。
嬉しくて、ほっとして。愛しくて、仕方がなかった。
――ただ、いつもみたいにそばにいてほしかっただけなのに。
「……裏切り者」
足元の水溜まりに映った女の子は、わずかに口を動かした。
消え入りそうな声で呟かれたその言葉も、
このしんとした場所では私と同じひとりぼっちで、やけに耳に残る。
――おかしいな。私は、涙腺がゆるかったはず。
それでも、鏡の中の目に浮かぶは涙ではなくて、冷たく光るただの殺意だった。

次は「風鈴」「潮」「水色」でお願いします。

34 :名無しさん@プログラム:2008/01/03(木) 07:31:14
 ひとりの少年が、広大なグラウンドを歩き回っていた。彼は汗だくになっていた。雲ひとつない水色の空から、真夏の日光が
降り注ぎ、それをただ全身で受け止めていた。
 周囲に影はひとつもなく、乾いた砂色の地面がどこまでも広がっていた。三百六十度、どこを見渡しても地平線が見えた
ので、砂漠のようだと彼は思った。しかし、どこかで風鈴の音が聞こえるので、際限のない平野ではなさそうだった。
 少年は暑さのためか、焦点の合わない目で言った。
「だれもいないグラウンドで動き回れば、誰かが自分を見つけて、殺してくれるだろう。おれみたく罪深い人間は、死んだほう
がましなんだ」
 彼はかれこれ数時間前から、思いついたことをなんでも独り言にしていた。彼は汗を流しながら、空に向かって持論を展開した。
「こう血まみれだと、おれを見た人はおれが殺人に手を染めたことに気づいて、失望するだろうな。もっとも、失望されるほどの
評価は、もともとなかったが」
 彼は話すのをやめた。地平線の向こうから、級友のひとりがやってきた。級友はすさまじい速度で彼のもとへたどり着き、
早口でまくし立てた。
「身体中血だらけじゃないか。ひどい怪我をしてんるだろ。それなのに、こんなところでうろうろして。すぐそこで診療所を見つけた
んだ。連れてってやるよ。そこまで行って、手当てしよう」
 少年は詠嘆調で言った。
「おお、お前か。ついに潮時が来たんだな。殺してくれ。ここでうろうろしていたのは、太陽の光を浴びたかったからだよ。季
節感のある環境のなか、汗だくになって、生きてる実感を最後に味わおうと思ってね。そう大きな怪我はしてないよ。これは
返り血だから。え。右腕だって。そういえばさっきから右腕は動かないね。歩きすぎて疲れたんだろう。大丈夫。大丈夫。なに
も心配ないから。おれは心配かけてもらえるレベルの人間じゃないです。なにしろ人殺しなんだから。あの人もあの人もおれの
せいで。それに、診療所なんてありません。なにしろあたり一帯は砂だらけだし……」
「落ち着けよ。ああ、こいつ、すこしおかしくなってるな。ついさっき、襲われるまで俺といっしょにいたんだから、人殺しなんて
できるわけないのに……」

大幅にオーバーしています。ごめんなさい。次は「地図」「禁止エリア」「首輪」でお願いします。

35 :名無しさん@プログラム:2008/01/11(金) 02:11:36
ビニールケースに入った地図に、水滴を垂らす。
一粒落ちてきた雫は、透明なケースの上で細かく輝き、弾けた。
そのまましばらく、逆さに向けたペットボトルの飲み口を見つめていた。
30秒程そうしてやっと何も落ちてこないことを受け入れた。支給された水がついに底をついたのだ。
視線をわずかに落とす。ビニールを挟んだ地図の5-Dの地点に小さな水滴が残っている。
私は無意識に首輪に手をかけた。
5-D。よく覚えている。
禁止エリアに指定されるギリギリの時間に、私はそこで生まれて初めての殺人を犯したから。
親友だと思っていたあの子は、私と心中したかったらしい。
ラスト10分。業を煮やした私が行ったのは、ナイフを握ることと、覚悟を決めること。
あの場所がこの丘からはよく見える。
あそこから夢中で走ってここまで来た。疲れたよ。あんたの水がなかったらここで干からびてたかもしんない。
わたしはさ、ほんとは後悔してるんだよ。だって、どっちにしても一緒じゃん。
他人の手にかかるより、自分から死ねた方がほんとは幸せだったんじゃないかって。
でも、もう遅いよね。


このスレッドが賑わうことを祈りつつ…。
次のお題は「右」「左」「受け流す」で御願いします。ちょっと古いですけどね。

36 :「右」「左」「受け流す」:2008/11/13(木) 13:52:45
「遊園地…行きたかったなぁ…」
俺の右に座っている彼女がつぶやくように言った。
「残念だったね」
俺はこの場に似つかわしくない彼女のセリフになんと返していいかわからず反射的につぶやいた。
「ナニー? あんまり残念そうじゃないんですけどー」
「そんなことない」
つとめて冷静に受け流すと、俺は再び目の前のPCに視線を戻す。
「もういいじゃん。終わりにしようよ。粘ってもあと2分もないし」
その言葉に左手の腕時計をちらりとみた。たしかに最後に死亡者が出てから24時間たとうとしていた。
「残り二人なんだし、もういいじゃん。頑張ったよ」
「あと1分ある」
「一分で何ができるの?もういいよ。おわりね」
彼女は自分の荷物を持って立ち上がると、つかつかと歩き出した。
「せっかちだな…もう終わったよ」
俺はPCの中で最後まで残っていたドットが消えたのを確認すると、近くにいる兵士の一人に声をかけた。
「現時刻をもってプログラム終了。時間切れにより優勝者はない。後片付けは頼んだ」
言いながら俺はノートパソコンを閉じると、彼女の後を追って部屋の外へと向かった。

いまさらあげてみる
次のお題は「憂鬱」「消失」「分裂」

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